OPEN

Column コラム

Column コラム Column コラム

2016.08.31

緊急時に必要な情報とは?会社でも役立つ!いざという時の組織力が高まる

第3回 必要な情報を選び出す、作り出す

さて、第1回と、第2回で、主体と目的によって必要になる情報は異なるということを書きましたが、すべての情報を収集していたら、いくら人手と時間があっても足りませんし、逆に雑音が増え判断を狂わせる要因にもなりかねません。

英語では、「情報」をinformationとintelligenceという言葉に分けて使っています。前者のinformationは、社会全体のあらゆる情報であり、デマや噂、正確ではないものも含まれています。後者のintelligenceには、自分の、あるいは自社の活動に必要となる情報です。つまり、informationの中から自分にとって必要になる情報を選びだす、あるいはinformationを分析したり、つなぎ合わせることで必要な情報を作り出す作業が必要になります。

必要な情報を選びだすためには、あらかじめ何の情報が必要になるかフィルターを決めておくことが大切だということは前回書いた通りですが、正確な情報を選び出す方法としては、情報の発信元に確認をしたり、同じような情報が他からも入ってきていないか照合する方法などが考えられます。ただし、一分一秒も無駄にできない状況でしたら、情報が十分にない場合でも、まず行動に移すことが優先されるケースも考えられます。例えば、地震の揺れを事前に知らせる緊急地震速報はどうでしょう?必ずしも想定震度が正しいわけではありませんが、推定される震度をいちいち確認する時間はありません。まずは、推定震度がどうであれ、あるいは信ぴょう性がどうであれ、しっかり安全を確保することが求められます。火災報知器もそうですね。誤報のケースも多いですが、鳴ったらまずは避難できるように安全を確保することが重要です。こうした情報の精度には限界がありますから、危機管理では、こうした緊急性が高い情報については、間違った情報でも空振りを恐れず行動することを癖にしていくことが大切だと思います。