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2016.10.07

緊急時に必要な情報とは?会社でも役立つ!いざという時の組織力が高まる

第4回 他の組織と協力・連携するために

ここからは、複数の組織が連携して危機対応にあたるケースについて考えてみたいと思います。 アメリカには、災害対応にルールがあるのをご存知ですか?災害だけではありません。あらゆる危機の発生時に、どのように対応計画を立て、どのような組織編制で、どのような指揮調整の方法によって関係機関が連携しながら対応にあたるかが、「Incident Command System」(ICS)と呼ばれる統一化されたルールが定められているのです。

何のためのルールでしょうか?それは、異なる人々が、1つのチームとして連携して対応にあたれるためのルールです。例えば、統一した用語を使うことや、一人の上司が管理できる部下の数を決めておくこと、さらにリーダーなどが権限を委譲する時の引継ぎ方法などなど、細かく決められているのです。

東日本大震災では、発災直後から、自治体、消防、警察、自衛隊、市民ボランティアなど様々な組織の方々が連携して復旧・復興にあたりました。しかし、それぞれの現場を見てみると、必ずしもすべての連携がうまくいったわけではなく、情報が共有されず現場が大混乱したり、その結果、被災自治体への応援が遅れるといった事態も発生しました。

近い将来、発生する可能性が高い首都直下地震や南海トラフ巨大地震に備えるためにも、私たちは危機発生時に備えたルールづくりをする必要があると思います。

それでは、アメリカのICSのルールはどうなっているのでしょうか?次回から、ICSの特徴を読み解きながら、組織間連携のポイントを整理してみたいと思います。これらは災害や危機の発生時に情報をどのように整理すればいいのか、どう流せばいいのか、どういう情報を共有すればいいのかを考える上でとても役に立ちます。