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Column コラム

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2017.03.10

緊急時に必要な情報とは?会社でも役立つ!いざという時の組織力が高まる

第11回 事案規模に応じた柔軟な組織編制(Modular Organization)

Modular Organizationは、災害対応にあたる組織は、災害などの事象の規模に応じて拡大したり、縮小したり、組合せが可能な構成になっていなければいけないということです。ICSでは、Modular Organizationの目的として「組織が災害にふりまわされるのではなく、組織が災害をあやつらなくてはいけない」と説明しています。

例えば、イベントなどでも大きい規模になると、主催者が運営スタッフや受付係を外部にお願いすることがありますが、同じように、必要に応じて組み合わせが可能な体制にしておくというのがポイントです。大きすぎても、足りなくてもいけない、ちょうどいい適切なサイズにすることが重要です。その上で、ICSでは、災害などの危機対応を管理する上で、5つの主要な機能が必要になるとしています。その5つとは、指揮

(Command)、運用(Operations)、計画(Planning)、後方支援(Logistic)、財務(Finance/Administration)です。 消火対応に例えるなら、「指揮」とは「火を消せ」と指示する人。「実行」は火を実際に消す人。「計画」は、火を消すための計画をつくったり、計画の進捗を管理する人。「後方支援」は、火を消す人のケアなどに当たる人。「財務」は、火を消すための費用を算出する人です。

災害の事象が小さければ1人が何役も兼ねることもあるし、大きくなれば、それぞれ役割分担をすることもあります。ただ、少なくても、これらの主要機能が必要になるし、そのことを明確にしておくことが、必要に応じて拡大・

縮小するなど組み立て可能な組織が作れるようになるということです。日常業務の組織体制ですべてがあたはまるとは限りません。しかし、指揮、運用、計画、後方支援、財務といった主要機能が常に補完されているかという視点で組織編制を見直すことで、改善が図れることもあるでしょう。