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2017.05.01

緊急時に必要な情報とは⁉会社でも役立つ!いざという時の組織力が高まる

第13回 統合された空間利用(Integrated Facilities Management)

統合された空間利用(Integrated Facilities Management)では、「場所と施設」については、機能や、名称、表記の仕方などを細かく規定しています。

災害時には、発災場所の近くに、さまざまな支援施設が立ち上がります。現場指揮所や、ロジスティックの調整を行う場所、ヘリコプターをとめておく基地や発着場所、避難者が一時的に退避する場所や、水や食料などを与える場所、などなど。災害対応にあたるのは、同じ組織だけではなく、時には外部から地理的な感覚が無い人もたくさん応援に来るわけですから、こうした場所の名称やサインをしっかり決めておかないと、混乱が起きてしまいます。例えば、ベースなのかキャンプなのか、ヘリベースなのかヘリスポットなのか。何の役割の場所がどこなのかをしっかり決めておくことが重要です。

ですからICSでは、現場調整所とは具体的にどういうことを行う場所なのか、地図上ではどのようなマークで示すのか、一般的にどのような場所に設置するのか。

同様に、ヘリベースは…、ステージングエリアは…、などを細かに規定しています。 今、ある地域の防災計画の策定についてお手伝いをしているのですが、ここでも施設の名称や表記の仕方はちょっとした課題になっています。地図を見ると、広域避難所、避難所、一時(いっとき)避難場所という言葉が使われていて、中には指定避難所とか補助避難所、福祉避難所などを設置している自治体もありますが、さらにそれらが地震と水害で異なっているなど、正直分かりにくい!と感じることも多々あります。地図上での表記も、避難所と一時避難場所がほとんど同じで、これを住民の方に理解しろと言っても、難しいようにも思います。日本人で分かりにくいのですから、外国人ならなおさらのことでしょう。外国人とまで言わなくても、外部からの観光客ぐらいには、統一したルールで分かりやすい防災マップを示してあげることが、観光大国を目指す上で不可欠ではないか、とも考えてしまいます。